2018年4月1日
皆さんは、人事や上司から自社のビジネスに関連する資格を受験するように勧められたことはありますか?社会人であれば、特定の資格を取らないと人事評価や昇進に影響をするといった理由で、資格取得に取り組んでいる方もいるのではないでしょうか。
しかし、社会人は仕事が第一です。資格取得のための時間を確保することは簡単ではありません。参考書等を買いそろえ資格取得の準備はしたが、仕事が忙しく、途中で挫折をしてしまったという経験があるという方も少なくないでしょう。
そこで今回は、忙しい社会人にお勧めの資格取得のための勉強方法について取り上げます。
まずは勉強法自体についてです。人によって、勉強のやり方はそれぞれだと思いますが、これはやってはいけないというパターンがあります。
①勉強をしない/勉強時間が少ない
②資格試験の内容に興味を持ちすぎてしまう
③参考書を暗記することに必死で問題を解かない
「①勉強をしない/勉強時間が少ない」は、試験に受からなくて当たり前だという感じなのですが、かなりの人がこれで失敗をしています。情報技術者試験という、主にIT関連の企業の人が受ける国家試験があります。SEなどのIT技術者が、会社から半ば強制される形で受験をすることが多い試験として知られています。
この試験はとにかく当日試験会場に来ない人が多く、昨年(平成29年)は受験料を払って申し込んだ応募者が約42万人いるのに対して、実際に試験を受けた人は約29万人となっています。なんと4人に1人以上が試験を受ける前に諦めたということになります。中には当日に仕事が入ったとか体調不良でという人もいるでしょうが、どうせ試験を受けても無駄ということで、あきらめてしまったという人が大多数だと思います。
なぜこのような結果になる人が多いのでしょうか。おそらく、忙しくて勉強時間が確保できないという人と、会社から受けるように言われたからとりあえず申し込んだという、モチベーションが低い人に分けられるのではないでしょうか。
会社は資格を取れというだけで、そのための時間を確保するために、仕事の量を調整してくれるといったことはまずありません。社会人であれば、当然仕事優先ですので、勉強時間を見つけるのは簡単ではありません。
ただし、資格試験に合格をするためにはどうにかして最低限の勉強時間を確保する必要があります。そこで、忙しい人におすすめなのは朝に会社に行く前に勉強時間を設けることです。夜は急な残業が入ったりとして毎日決まった時間に勉強ができない可能性が高いといえます。その一方で、朝は出社時間が一定で、比較的安定して時間を確保しやすいのではないでしょうか。
例えば、朝30分早く電車に乗る様にして、会社に行く前にカフェなどで勉強をすると、年間で120時間確保できます(年間に240日出勤すると考えた場合)。電車に乗っている時間も勉強するとすれば、毎日1時間は勉強に使えます。平日に加え、土日も勉強時間にあてるとすれば、ビジネスパーソンが働きながら受ける資格であれば、十分に合格ラインまで持っていくことも可能です。
会社から半ば強制的に試験を受けさせられているのでという人は、どうにかしてモチベーションを高められないか考えてみましょう。会社がとれという資格です。合格すれば手当がもらえたり、人事評価にプラスになるかもしれません。会社からの見返りが期待できないという場合は、将来転職をする場合に役に立つとか、まだ資格を取っていない同僚に差をつけられるとか、何かモチベーションになることがないでしょうか。
もし、そういったものが全くない。こんなに資格を取ってもしょうがないということであれば、時間は限られるので、無駄なことに時間を使う必要はありません。試験を受けるのであればモチベーションを高めるようにする。それができそうになければきっぱりと受けない。自分自身で決断をすることが大事です。
人によって自分に合っている勉強法というものがあると思います。どの勉強法が言い悪いと断言はできないのですが、試験合格ということを目的とするのであれば、「②資格試験の内容に興味を持ちすぎてしまう」ははっきりとダメです。
試験勉強をしているとことはどうなっているのだろうとついつい興味が湧いてくることがあります。そこで資格試験の参考書に飽き足らず、インターネットや専門書などを調べてしまうという人がいます。試験内容に興味を持つこと自体は良いのですが、時間は限られていることを忘れてはいけません。
当たり前のことですが、資格試験は試験範囲が決まっています。その範囲を超えることは試験に受かってから勉強すれば良いのです。合格ラインに達するために必要な勉強範囲というのもだいたい決まっています。満点で受かってもギリギリで受かっても合格は合格です。忙しい社会人であれば、合格ラインをクリアできる勉強を第一に考えないといけません。
いかに試験の合格に特化した勉強をするのか。費用をかけてもよいということであれば、資格試験対策校の講座を受けることが考えられます。資格試験対策校は試験の情報がそろっているので、自分で勉強範囲の取捨選択をする必要がありません。最近ではWebやDVDなどの受講方法もあるので、学校に通う時間がないという方でも大丈夫です。
資格試験対策校の講座を受けるメリットは他にもあります。勉強のペースを保ちやすいということと、講師に質問をできるということでしょう。
費用をあまりかけたくないから独学でという人は、市販の参考書を活用するのが良いでしょう。インターネットで評価が良い参考であれば合格に必要な範囲を抑えることができると思います。
独学でやってはいけないのは、勉強の手ごたえがないからと次から次へと参考書や問題集に手を出してしまうことです。いくつもの参考書と問題集を買ってしまうようでは、費用をかけたくないから独学を選んだ意味がありません。
そもそも、時間が限られるなかで、複数の参考書や問題集をこなせるはずもなく、教材が本棚にそろっているけど、自分の頭には何も入っていないということで終わってしまう可能性が高いでしょう。
忙しくて勉強時間が限られると、1日勉強したら2日休んでといった様に、勉強間隔が開き気味になります。そこで陥りがちなのが「③参考書を暗記することに必死で問題を解かない」です。
この前勉強したことを思い出せないので参考書を開いて暗記をする→数日経過して忘れてしまう→この前勉強したことを思い出せないので、参考書を開いて暗記をする
上記の流れは不合格間違いなしです。分厚い参考書の最初の10ページ位しか覚えていないということで終わってしまうかもしれません。
そもそも、試験対策として参考書を暗記することは間違っていはないのですが、それだけでは試験に対応できません。アウトプットの練習をしなければ、試験では点をとれないからです。
試験は時間が限られています。この問題にはこの知識が必要と瞬時に判断できるようになるためには、実際の試験と同じ形式の問題をたくさんこなしていくことが欠かせないのです。基礎を固めてから練習問題に取り組もうとか、参考書の100ページまで覚えてから練習問題に取り組もうというのは、資格の合格を目指すのであればおすすめできません。
繰り返し問題を解いていく方が、知識が定着をしやすいといえます。これは、参考書を隅から隅まで読み込むよりもずっと効率的です。
参考書を暗記する→すぐに練習問題に取り組む→できなかった問題を参考書で確認をする→練習問題に取り組む
上記を繰り返しながら、できなかった問題をできる問題にしていけば試験の合格に近づくはずです。
今回は忙しくて勉強時間が確保できないという方におすすめの勉強法をご紹介しました。
①毎日勉強時間を確保して、②試験の合格に必要な内容を、③何度も練習問題を繰り返しながら覚えていくことができれば、目標とする資格試験の合格がきっと見えてくるはずです。