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「働き方改革」に取り組む前に知っておくべきこと

2018年1月25日

「働き方改革」に興味のあるという方は多いのではないでしょうか。政府が最も力を入れている政策の一つであり、今後国会で残業規制などを盛り込んだ法案が審議される予定になっています。

少子高齢化社会を迎え、今後働き手が減っていくことが確実な中、短い時間で効率よく働くという「働き方改革」の考え方自体は、多くの人が納得できるものだと思います。

改革の必要性は理解できるが、自社で実際に取り組もうとしてもなかなか難しい「働き方改革」。ただ残業時間を減らせばそれでよいのでしょうか?

そこで今回のコラムでは、皆さんの会社が「働き方改革」に取り組む前に知っておくべきことをご紹介します。

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働きやすい環境作り


貴社では既に「働き方改革」に取り組んでいるでしょうか。残業削減のために毎週ノー残業デーを実施しているという企業や、育児や介護をかかえる社員のために在宅勤務を導入したという企業もあるかもしれません。

高齢化社会を迎え、今後仕事のみに専念できる働き手はどんどんと減っていくと考えられます。社員の中に、育児や親の介護であったり、高齢のためこれまでと同じように働くことができないといった、事情のある人が増えていくことになるでしょう。

それを補うために、新入社員を採用するとしても簡単にはいかなくなるでしょう。少子化によって、若い世代の母数が減っているため、各企業が限られた若い世代を奪い合いことになります。

「働きやすい環境作り」に取り組んでいかなければ、様々な事情をかかえる社員が仕事を継続することが難しくなり、「離職者の増加→社員の仕事の負担増→離職者の増加→社員の仕事の負担増」という悪循環に陥ることになります。

そして、その様な企業は新入社員の候補となる若い世代からも魅力がないと見られて、人手不足によって事業の継続が困難になるといった最悪の事態も考えられます。

 

働き方改革で忘れていけないこと


そしてもう一つ、働き方改革を実現するために忘れていけないのは、社員一人ひとりの「やる気を高める」という視点です。

困難な事情に直面した社員が会社に留まるかどうかの決め手となるのは、今の仕事にやる気を感じられるかどうかではないでしょうか。

残業ができなければしなくてもいい。その代わり仕事は他の人のサポートが中心。給与もその分減らすというのでは、モチベーションを維持することは難しいでしょう。働きやすい環境作りは「働き方改革」の土台となりますが、それだけは不十分です。仕事そのものへのやる気がなければ、社員は会社から離れて行くことになります。

・在宅勤務の制度はできたが、在宅だと重要な仕事を任せてもらえない。そのため制度を利用していない。
・残業はできないが、他の人よりも時間当たりの成果を上げている。仕事の効率が悪くて、残業をしている人よりも給与が低いのが納得できない。
・在宅勤務や短時間勤務を利用すると、他の人よりも評価が低くなるのではという心配がある。

ただ単に働きやすい環境作りばかりを考えていると上記の様な問題が生じる恐れがあります。その様な状況が生じる要因は、働き方改革に社員のやる気を高めるという視点が欠けているためです。

■社員の「やる気」のメカニズム

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社員の「やる気」は、おもに以下の3つの働きかけで高めることができます。

「仕事の魅力」・・・仕事の中身そのものを魅力的にする
「お金の魅力」・・・努力と成功確率に見合った報酬を与える
「公平さ」・・・他者と比較して公平に扱われている

働き方改革によって育児や介護といった事情があっても仕事が継続できるようになったとしても、社員のやる気を高める工夫がなければ別の問題が生じてしまうのです。

働き方改革を成功に導くためには、新しい働き方にあった仕事の割り振り、報酬制度、評価制度を一緒に作っていく必要があります。それができなければ、社員は会社で留まって貢献したいという気持ちを失っていき、顧客満足度、会社業績の低迷にもつながりかねません。

 

まとめ


今回のコラムでは「働き方改革」に取り組む前に知っておくべきこととして、「社員のやる気を高める」という視点をご紹介しました。

既に「働き方やすい環境作り」を進めているのに、離職者があまり減っていないという企業の方は、「社員のやる気を高める」ことができているのかを再確認をしてみてはいかがでしょうか。

次回のコラムでは働き方改革の具体的な進め方についてご紹介します。

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