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組織

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組織

「組織(Organization)」とは共通の目的の達成のために集まったひとの集団をいう。組織という言葉は、多義的に使われるので注意が必要である。小さなひとの集団(小規模な組織)がいくつか集まって中規模な組織になり、中規模な組織がいくつか集まって大規模な組織になっている。つまり、組織といっても、組織全体なのか、一部なのか、どこについていっているのか文脈の中で判断しなければならない。さらに、組織の構成要素のひとつ組織構造(いわゆる組織図)という意味で使われることも多い。

会社という組織

別の切り口だが、組織は、法人と法人以外に大きく分けることができる。法人には私法人と公法人、さらに私法人には営利法人と非営利法人がある。「会社」は組織のひとつで、営利を目的に運営される「私法人」をいう。 ・・・図を参照

組織説明図①

 

組織の構成要素

組織がどのようなものから成り立っているかは、マッキンゼーの7Sを筆頭にコンサルティング会社によって様々な考え方がある。弊社では、組織が以下の7つの要素からなるとしている。 ・・・図を参照

組織説明図②
企業理念・ビジョン 組織の存在意義(目的・使命、事業範囲)や今後めざしていく姿(主にビジネスの方向性)
戦略 組織の将来像(経営目標など)と競合に打ち勝ちながらそれを達成するための施策群
組織構造 戦略や通常業務を遂行するための組織図そのものと具体的な役割分担、さらに個々のポジションとポジションへのひとの配置状況
制度 製品・サービス開発、生産、物流、営業、保守、人事、経理、などに関するルール、プロセスなど
リーダーシップ 主に経営層・中間管理職などの影響力
ひと 知識・スキルや行動特性を持つ社員
企業文化 組織を運営した結果として存在する特有の文化

 

各要素について

  • 「企業理念・ビジョン」がすべての起点で、組織運営をするための大前提である。企業理念は組織の存在意義(目的・使命、事業範囲)、ビジョンは将来のありたい姿である。将来のありたい姿は、外部視点でビジネスのありたい姿(例:競合との違いを示すポジショニングに関するメッセージ)を定めることが多い。なお、企業理念・ビジョンと同じ位置に「組織の価値観(注)」を置き、内部視点で社員のあるべき姿を定義する会社も多い。さらに、最近はやりのパーパス経営では、自社の商品・サービスが果たす機能や自社の事業の意図だけでなく、社会善を存在意義や将来のありたい姿に入れるようになってきている。
  • 「戦略」は、企業理念やビジョンを具体化にした組織目標とそれを達成するための施策群からなる。そして組織は、戦略に基づき「組織構造」、各種の「制度」を設計し、運用・検証する。本書が取り扱う人事制度は、「制度」のひとつに過ぎない。
  • 経営層・管理職は「リーダーシップ」を示してひと(社員)を目標の達成に向かわせる。「ひと」はなんらかのモチベーションを持ち組織で働く人々で、必要なスキルや行動特性を獲得し、組織構造を通じて戦略や各種制度を実施することになる。組織を運営した結果できあがったのが「企業文化」である。
  • 図の矢印は、双方向になっている。組織を運営する中で、企業理念やビジョンは必要があれば見直される。染みついた企業文化が組織運営に大きな影響を与えることがある。戦略は組織運営の中核的な要素ではあるが、やはり他の要素から制限や影響を受ける。
  • 企業理念・ビジョン、戦略、組織構造、制度は明文化されたハード的な要素で、入れ替えは比較的容易である。他方、リーダーシップ、ひと、企業文化はヒトの内面にかかわるソフトな部分なので簡単に変わらないし、変えるには強い痛みが伴う。本書の中では、この3つを総称して「ヒト」と呼ぶので、注意してほしい。
  • 最後に、組織能力とは、組織の各構成要素を足し合わせた組織の持つ総合的な能力で、どの企業も組織能力の向上を目指している。
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