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部下の仕事へのやる気の引き出すために上司が知っておくべきこと2

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部下の仕事へのやる気の引き出すために上司が知っておくべきこと2

「自分の部下は仕事ができない。」「大事な仕事を任せたのに部下が期待に応えていない。」と感じることが多い方はいないでしょうか。

実はその原因は・・・部下の能力不足ではなく、上司であるあなた自身にあるかもしれません。

今回のコラムでは、「部下の仕事へのやる気の引き出すために上司が知っておくべきこと1」の続きとして、部下をもつ上司が、部下にどの様な態度を示すべきなのかについて詳しく取り上げます。

 

実力以上の成果を残すために必要なものとは?

最初に一つの実験の結果をご紹介します。とある仕事をAさん、Bさん、Cさんの3人チームで担当します。全く同じ仕事を2回行ったものとします。

チームメンバーの能力は2回とも同じ、仕事の難易度ももちろん同じですが、少しのことで仕事の成果に差が出ることがわかりました。皆さんはそれが何かわかりますか?

全く同じメンバーが全く同じ仕事をしているのに、何か一つを変えるだけで、仕事への意欲が高くなり、より良い成果を上げることができるようになったのです。

その答えは「上司が部下に期待を示したか、示さなかった」です。下の図は実験の結果を示したものです。上司が部下に期待を示した場合は200点とチームの実力以上の成果を上げていますが、示さなかった場合は165点と実力通りの成果となっています。

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これは心理学では「ピグマリオン効果」と呼ばれているもので、「人は期待をされるほど意欲が高くなり、より良い成果を出すことができる」という法則の結果です。

 

上司に求められるのは期待を示すこと

上司というのはとても大変な立場です。部下の育成のためには、部下に難しい仕事を任せることが求められます。一方で、部下をもつ立場であれば部門の全体の成績にも責任を持つ必要があります。

部門の成績のため、時には上司が自分自身で手を動かしてしまいたくなったり、部下に厳しいことを言いたくなったりするかもしれません。部門の成績が振るわないなど余裕のない状況であればなおさらです。しかし、それでは部下は成長につながりません。

部下一人ひとりの意欲を引き出し、成長を促すために必要なのは「部下への期待を示す」ことなのです。

わかりやすい例で考えてみましょう。上司から「前回のプレゼンは良かった。今回の仕事も期待している。」と言われた場合と、「この前の仕事で成功したのは上司である自分のおかげだ。今回は自分(=上司)に迷惑をかけないでくれ。」と言われた場合、どちらが部下の仕事への意欲が高くなるでしょうか。

これは上司から期待を伝えられた場合ですね。「今回は自分(=上司)に迷惑をかけないでくれ。」と言われた部下は、次は失敗してはいけないと萎縮をしてしまい、上司の顔色をうかがいながら仕事をすることになります。その様な状態では成果を上げることができません。

上司が仕事が出来ないと決めつけて、「こいつは何を言っても無駄」と思っている場合も同じです。上司がネガティブな言葉を直接言わなかったとしても、気持ちは態度に出てしまいます。自分は上司に期待されていないことを感じ取った部下もそれなりの成果しか出しません。

 

期待の示し方で注意すべきポイント

ここで「期待を示す」を実践してみようと考えている方に注意すべきポイントをお知らせします。

この行動を実践する時に最も意識をしていただきたいのは、特定の人に対してだけ期待を示すのではなく、自分の部下全員に対して期待を示すようにすることです。

上司から見て優秀だと考えている人に対しては、「今回のプロジェクトは良かった。次の仕事でも期待をしている。」といった言葉をかけやすいと思います。一方で、これまでの仕事ぶりからあまり仕事が出来ない人に対しては、なかなか期待感を持つことができず、期待を示す言葉も出てこないかもしれません。

しかし、よく考えてみて下さい。「ピグマリオン効果」は「人は期待をされるほど意欲が高くなり、より良い成果を出すことができる」というものでした。これまで仕事が出来ないと思っていた部下は、上司からあまり期待されていないと感じていたため、仕事への意欲が低下していたのかもしれません。上司であるあなた自身が「こいつはだめな部下だ」と決めつけていたため、仕事の成果に影響を与えていたのかもしれないのです。

上司は、自分の部下を簡単に入れ替えたりすることはできません。今いるメンバーの力を引き出して、最大限の成果を残すことをしなければならないのです。そのためには、これまであまり期待をしていなかった部下に対しても、期待を示すことが必要です。

あまり仕事の出来ない人と考えていても、経験を重ねることで何かしらの進歩が見られるはずです。以前の仕事では出来なかったが、今回の仕事ではこれが出来たといったところを見つけ、期待を示すことが、部下の自信につながり仕事への意欲が高まっていくきっかけとなります。

期待を示すを実践する時には、特定の人だけに行うのではなく、全員に対して行うということを意識することが重要です。

もちろん、いくら上司が期待を示したとしても、新入社員など経験の少ない人の場合、最初から成果を出すことはないかもしれません。それでも、上司が部下への期待を示した続けることが必要です。上司が期待を示すことで、部下は意欲を持って仕事に取り組むことができ、より良い成果を出すことができるようになるのです。

 

まとめ

「ピグマリオン効果」とは「人は期待をされるほど意欲が高くなり、より良い成果を出すことができる」という法則です。これを上手く活用することで、部下の仕事への意欲を高め、より良い成果を出すことができると考えられます。

これまで部下に「期待を示す」ような言葉をかけてこなかったという上司の方は、「ピグマリオン効果」を実践をしてみてはいかがでしょうか。部門の成績がぐっと伸びるきっかけなるかもしれません。

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