1. HOME
  2. メディア
  3. コラム
  4. 部下の仕事へのやる気の引き出すために上司が知っておくべきこと1

部下の仕事へのやる気の引き出すために上司が知っておくべきこと1

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
部下の仕事へのやる気の引き出すために上司が知っておくべきこと1

管理職の方で、部下の仕事へのやる気が低下しているのではと感じる時はないでしょうか。自分から積極的に仕事をしようとしないため、事細かに指示をしないといけない。上司である自分に直接言うことはないものの、部下が仕事への不満を口にしていることが耳に入ってくる。

その様な状況で、あなたならどう対処しますか?やる気は本人の問題と考えて、放っておいてもよいものでしょうか?

最近では人手不足が問題となっており、人を採用することが難しくなってきています。仮に採用できたとしても、その人が辞めた人より活躍できるという保証は全くありません。新しい人に期待をする前に、まずは目の前にいる部下のやる気を引き出していくのかを考え、実践することが上司として取るべき対応といえるのではないでしょうか。

今回のコラムでは、上司が部下のやる気を引き出すために知っておくべきポイントをご紹介します。

 

仕事に対するやる気はどこから生まれるか

仕事に対する「やる気」は、何で決まるのでしょうか。やる気がどこから生まれてくるかは人それぞれですが、主に自分の内面と外部の影響によって決まってくるといえます。

最初に内面から取り上げていきます。就職・転職活動などでは、書類や面接でこの仕事につくことによって成長できるとアピールする人が多いと思いますが、仕事を通じて成長したいという気持ちは「やる気」を生み出す要因の一つになります。仕事であることを成し遂げて成長したい、あるいは努力をしてより良い成果を出せるようになりたいという気持ちの有無によって、仕事へのやる気はかなり変わってきます。

著名なアメリカの心理学者であるマクレランドは人間の主要な欲求は3つあり、「達成」「権力」「親和」であるという理論を提唱しています。

「達成」・・・あることを成し遂げたい、努力してよりよい成果を出したいという欲求。
「親和」・・・友好的で親密な人間関係を持ちたいという欲求。
「権力」・・・他者に働きかけ動かしたい、上に立ちたいという欲求。

人間の行動、特に職場における行動の背景にはこれらの欲求があるという理論です。「達成」については既にふれていますが、多くの人が仕事を通じて成長をしたいという欲求をもっていると思います。

はっきりと成長をしたいは思っていなくても、多くの人がスキルを身につけて仕事の幅を広げたいとか、いい仕事をしてお客さんから良い反応を得られるようになりという気持ちは持っているのではないでしょうか。

「親和」とは人と人とのつながりのことです。チームスポーツで考えるわかりやすいと思います。自分のためだけではなく、チームの目標のために頑張るという気持ちがあると、より良いプレーが生まれやすいのではないでしょうか。

仕事でも同じです。周りの人と良い関係を持ちながら、お互いに高めあっていける職場であれば、仕事に対するやる気を持ち続けることができるでしょう。

やる気の要因となる内面のもう一つは「権力」です。出世に対する意欲が高い人であれば、役職に就くためにより良い仕事をしようとするでしょう。こういった人は、役職に就くことに興味がなく現状維持で良いという人よりも、仕事へのやる気が高いはずです。

「達成」「権力」「親和」といった個人の欲求には、人それぞれ濃淡がありますが、部下のやる気を引き出すためにはこれらが仕事に対するやる気につながっていることを知っておくことが欠かせません。個人の欲求に配慮をすることでやる気を引き出すことができるのです。

やる気がない部下が多いという管理職の方は、一度自分の行動を振り返ってみて下さい。部下の話に耳を傾けようという姿勢を示していますか。常に自分が正しいと考え、部下を批判するばかりでは、部下のやる気はなくなっていく一方です。

 

仕事の魅力をアップさせる

個人の欲求だけではなく、仕事そのものに対する魅力があるかどうかもやる気に大きく影響してきます。今の仕事は部下にとってやる気を持って取り組みたいと思えるものとなっているでしょうか。

仕事の魅力度を表す式を一つご紹介します。

20170801-02.png

■技能多様性

一般的に簡単で誰でもできる仕事よりも、様々な知識や技術が要求される仕事の方にやりがいを感じる人が多いことでしょう。単調で毎日同じことを繰り返すだけでは、どうしても仕事に対する飽きがでてしまい、やる気が低下してしまいます。部下一人ひとりのレベルを把握して、そのレベルにあった仕事をする機会を与えることが必要です。

■タスク完結性

仕事の始まりから終わりまで、仕事の一連の流れに携わる程度のことです。全体の一部しか関わることができず、自分の担当した成果が見えにくい仕事よりも、一連の流れを任せられる仕事の方がやりがいを感じやすいといえます。部下に仕事を任せる時には、細切れにするのではなく一人で一連の流れを完結できるようにするほうが望ましいといえます。

■タスク重要性

ここはあまり説明の必要がないと思いますが、誰しも重要な仕事に取り組む時はやる気が高まるはずです。問題は本人が自分の仕事が重要であると認識しているのかどうかという点です。重要な仕事を部下に任せる時は、その仕事が会社の利益にどの様につながっているのかということも一緒に伝えるなどして、重要性を自覚できるようにしていく必要があるでしょう。

■自律性

自らの裁量で進められる仕事の方がやりがいと感じやすいということです。上司が一方的に指示をするだけでは自律性を感じることは困難です。仕事の進め方をなどに部下の意見を取り入れるなどして、部下が仕事に対する自律性を感じやすくすることが有効です。

■フィードバック

フィードバックは特に重要です。全くフィードバックをしていないという管理職の方はすぐに改めていく必要があります。上司からのフィードバックがなければ、仕事の手ごたえを感じることができず、次第にやる気を失ってしまいます。

ここまでを振り返ってみます。上司が部下のやる気を引き出すためには、仕事そのものの魅力をアップさせること、自分が任せられている仕事が重要なものであるという自覚を持てるようにすることが必要です。そして、仕事が終わったら、上司がフィードバックを欠かさず行うことが重要なのです。

 

部下の能力を最大限生かす

誰がやっても、100%成功する仕事にやる気をもって取り組むことができるでしょうか。反対に、成功する確率が1%未満という仕事だとどうでしょうか。困難すぎる仕事に対しては最初からあきらめ半分になってしまいますね。

仕事の成功確率とやる気には関係が見られます。成功確率が「五分五分」の目標が、人のやる気を最も引き出すことができるという研究があります。上司はこの五分五分の確率の仕事を任せることにより、部下のやる気を引き出すことができます。

五分五分の確率というと、簡単ではないが手の届きそうなレベルといえるでしょう。失敗をすると上司である自分の責任になるからといって、難しい仕事を任せないという選択肢もあります。

しかし、それでは部下のやる気を引き出すことができず、結局は組織として良い仕事をすることができないのです。目先の失敗を恐れずに、部下に五分五分の仕事を任せる決断をしてみませんか。

 

部下に公平に接し期待する

気に入っている部下とそうではない部下に対する態度に違いが出てしまっていないでしょうか。上司は様々な判断をする中で、公平さに配慮する必要があります。公平に扱われていないと感じた部下は、上司であるあなたに対しての信頼を失い、すぐに仕事に対するやる気を失ってしまいます。

性格が合うわないといった理由で、この部下とはお互いにうまくいかないということもあるかもしれません。ただし、仕事においてはプロフェッショナルとして部下に接する必要があります。同じ様な実力の部下が二人いたとして、自分と性格があう部下にばかり重要な仕事を任せるようなことはしてはいけません。

部下に対して期待を示すことも必要です。「上司が部下に期待すればするほど、部下の意欲が高くなり、成績が向上する」という心理学の法則があります(ピグマリオン効果)。部下は上司に期待をされていると実感できれば、当然のことながらやる気が出てくるでしょう。上司は、部下全員に期待し、実力を出し切らせることで、より良い結果を残すことができるのです。

 

まとめ

上司は様々な方法で部下のやる気を引き出すことができます。反対に言えば、部下のやる気がないのは上司であるあなたの影響が大きいのかもしれません。

人手不足が問題となってきた今、一人ひとりの部下に長く働いてもらう必要があります。①仕事の魅力をアップさせる。②部下の能力を最大限生かす。③部下に公平に接し期待する。これらの中で取り組んできていないことがあったという方は、貴重な部下を失わないように行動に移してみて下さい。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

Contact

お問い合わせ

以下メールフォームからお問い合わせください。